スパウェザーが生んだ名ドラマ。フェラーリがアウディを再逆転し、スパ24時間で17年ぶり勝利

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By Auto News on Aug 1, 2021 at 9:13 AM
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     8月1日、トタルエナジーズ・スパ24時間レースの決勝レースが“スパウェザー”のなかでフィニッシュを迎え、アイアン・リンクスの51号車フェラーリ488 GT3 Evo(コム・レドガー/ニクラス・ニールセン/アレッサンドロ・ピエール・グイディ組)が総合勝利を飾った。

     ル・マン24時間とデイトナ24時間と並んで“世界三大耐久レース”を構成するベルギーのスパ24時間。その決勝レースは7月31日(土)16時30分にスタートが切られ、58台のマシンが長丁場の戦いに挑んでいった。

     スタートから22分後に発生した多重クラッシュとそれにともなう長時間のFCYフルコースイエロー、そしてリスタート後に豪雨に襲われたレース序盤戦から中盤にかけてアクシデントが相次いだこのレースで、51号車フェラーリは早くから上位に進出。
     
     5時間目に総合首位に立つと、オレンジ1・FFFレーシングチームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoや、アウディスポーツ・チームWRTの32号車アウディR8 LMSとポジションを入れ替えながら中盤を迎え、レース折り返しをトップで通過した。

     その後イタリアメーカーを代表するチームは10時間以上にわたってトップを守り続けるが、その背後には32号車アウディが徐々に近づき、残り6時間を切った頃には、その差が5秒以内に。以降この2台のクルマは、ときに接戦を繰り広げながらレースを進めるが、アウディ陣営としては決め手にかける状況が続く。
     
     それを打開するきっかけとなったのが23時間目にサーキットを襲った“スパウェザー”だ。トップを走る51号車フェラーリが通常どおりの戦略で最後のピットストップを行ったのに対し、チームWRTはドライ路面のコースにレインタイヤを装着した32号車アウディを送り出すギャンブルに打って出る。
     
     この戦略はベルギーのチームが直後の降雨を予想して行ったものだが、果たしてその予測は的中し、アウディのアウトラップ中に土砂降りの雨がトラックを濡らしていく。これに対して首位のアイアン・リンクスはステイアウトを選択。これが劇的なドラマの幕開けとなった。

     ドライタイヤを履く51号車は、ピエール・グイディのドライブでなんとかコースを外れずに回ってきたが、たまらずピットへ飛び込む。この直後、ドリス・ファントール駆る32号車アウディがコントロールラインを通過し、残り45分で逆転に成功した。
     
     ときを同じくして最終バスストップシケインで多数のマシンがコースを外れ、複数台がクラッシュするアクシデントが発生。また、ケメル・ストレートでもウォールにヒットした車両があったためFCYが導入される。

     この時点で首位に立った32号車アウディと、2番手に後退した52号車フェラーリのギャップは58秒。しかし、毎度のFCY導入時と同じようにセーフティカー(SC)ランへと移行し隊列が整理されると、2台の差は4.8秒に縮まった。
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    オレンジ1・FFFレーシングチームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo
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    ポールポジションを獲得するも決勝ではリタイアとなったメルセデスAMG・チーム・アッカASPの88号車メルセデスAMG GT3
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    チームWRTの31号車アウディR8 LMS

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     雨が降り続くなかレースは残り28分を残して再開に。ここからピエール・グイディの鬼神の走りが披露された。優勝を目前にポジションを奪われたフェラーリ・ワークスドライバーは、ウォータースクリーンで視界が制限される厳しいコンディションであるにもかかわらず、ライバルとの間に挟まった4台のバックマーカーを次々にパス。わずか3周、8分の間に一騎打ちの展開に持ち込むと、その差は約2秒に縮めてみせる。

     ピエール・グイディの追い上げは留まることを知らず、5分後には32号車アウディと1.6秒差、残り12分の段階で1秒を切って0.5秒差となった。
     
     フィニッシュまで残り10分、ついにその瞬間が訪れる。ケメル・ストレートエンドでアウディの背後にピタリとつけた51号車フェラーリはそのままセクター2を離されることなく追随、そしてセクター3の高速左コーナー“ブランシモン”でアウト側から32号車を交わしてみせた。
     
     これで一度は勝利を失ったかに思われたアイアン・リンクスがふたたび首位に浮上。キレにキレた走りをみせたピエール・グイディは、51号車をそのままフィニッシュまで運び栄光のトップチェッカーを受ける。この瞬間、フェラーリにとって2004年のフェラーリ550-GTSマラネロ(BMSスクーデリア・イタリア)以来、実に17年ぶりとなるスパ24時間の総合優勝がもたらされることとなった。
     
     地の利を活かし、予選55番手からの“奇跡の大逆転勝利”を夢見た32号車アウディは、トップと3.978秒差の総合2位でフィニッシュ。3位にはレース中盤以降、ひとり旅が続いたガレージ59の95号車アストンマーティン・バンテージGT3が入っている。4位は63号車ランボルギーニやKCMGの47号車ポルシェ911 GT3 Rと順位を争っていたアウディスポーツ・チームWRTの37号車アウディR8 LMS。KCMGはポルシェ勢最上位の総合5位となった。

     富田竜一郎組31号車アウディR8 LMS(チームWRT)や、マシントラブルでリタイアとなった根本悠生組666号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(VSレーシング)がエントリーしたシルバーカップでは、マッドパンダ・モータースポーツの90号車メルセデスAMG GT3が総合11位でチェッカーを受け、クラス優勝を飾った。
     
     一時は総合16番手前後まで順位を上げた富田組アウディは、夜間走行時にリヤのディフューザーを失うトラブルに見舞われたことでポジションを失い、最終的には総合24位/クラス8位でフィニッシュ。富田はスタートに続きフィニッシュドライバーも務めている。

     プロ・アマカップはAFコルセの53号車フェラーリ488 GT3 Evoと同52号車フェラーリがワン・ツー・フィニッシュを飾り、アイアン・リンクスの総合優勝とともにイタリアチームの熱狂具合を加速させている。

     フィル・キーン/濱口弘/ベルトラン・バゲット組19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(オレンジ1・FFFレーシングチーム)は、残念ながら日の出前にリタイアに。2台で争われたアマクラスはヘーゲリ・バイ・T2レーシングの166号車ポルシェ911 GT3 Rが制し総合では33位となった。

     今年もまた歴史に残る名バトルが繰り広げられたスパ24時間を終え、同レースをシリーズに組み込むファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパは次戦ブランズハッチ(8月28~29日)で第7戦を迎える。一方、今ラウンドが今季開幕戦となったIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの次戦は10月15~17日、第2戦インディアナポリス8時間がアメリカ、インディアナポリス・モータースピードウェイで開催される。
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    アウディスポーツ・チームWRTの32号車アウディR8 LMS
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    ガレージ59の95号車アストンマーティン・バンテージGT3
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    KCMGの47号車ポルシェ911 GT3 R
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    アウディスポーツ・チームWRTの37号車アウディR8 LMS
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    チームWRTの31号車アウディR8 LMS
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    マッドパンダ・モータースポーツの90号車メルセデスAMG GT3
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    VSレーシングの666号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo
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    オレンジ1・FFFレーシングチームの19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo



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